空は青かった

どういうわけか、ここまでの人生の半分以上にわたって悩まされたものがどこかへいってしまった。
どうやらほんとうに。あっけなく。
そうなるまでは、実現したらどんなにうれしいだろうと思っていたが、いざそうなってみると、さみしいような、喪失感のほうが大きくて、とまどってしまう。
むかしばなしに出てくる、はちかぶり姫もこんな気持ちだったのかもしれない。

はちかぶり姫には、割れた鉢が見えただろうが、私にはそれすらないのだ。