5/10(水)

いつものように前日は一睡もできず、朝5時には支度をはじめたというのにグズグズして8時15分の徳島行きバスに乗り遅れ、一時間後のバスで出発した。
おとついあたりから左目の調子が悪くて、一時間おきに目薬を差ししたがそのかいもなく目はずっと血走っていた。あーやだなーこんな形相で笠かぶったら怖いんじゃないかな、いや、却って顔がわからなくていいかも?そもそも顔なんか見てないって・・・とゴシャゴシャ考えているうちに徳島に着いた。



大阪はグズグズした曇りだったけど、徳島は雨だった。ゲッ、やだなと思う。とりあえず、駅のトイレに行った。そこの鏡を見たら、目が史上最高に血走ってる!もう毛細血管までくっきりはっきり見える。こんなうらめしい顔で出発すんのか・・・とまた気が滅入った。

ため息をつきながら駅ビルを出ると鍛冶屋原行きのバスが目に入った。
あ、たしかこれに乗るんじゃなかったっけ?と思い、走る。

バスの乗客は地元のおばあちゃんたち数名。後ろの席が空いてたのでそこに座った。



1番から5番までは三月に日帰りで打ち終えていたので、5番に最寄りの羅漢バス停で降り、そこからスタートする。
雨は小降りになっている。まだ笠をかぶる勇気がなく、トートバッグに入れて左手に下げたまま歩く。
レインコートを着て、慣れない荷物をしょって歩いているせいか、五分もするとしんどくなる。なんやもう、調子悪いし暑いし、おまけにリュックに押されてパンツはずり下がるし、もう・・・帰ろうかなぁと思いながら歩く。

六番までの道は単調で、ほとんどまっすぐ車道を行く。
なかなかペースがあがらず、五キロくらいの間に4回も休憩してしまう。
途中、神社の前にあるベンチ(ぬれていた)に座って、とりあえずカロリーメイトとお茶を飲む。食べだしてすぐおなかが鳴った。緊張のせいか空腹を感じなかったが、もう二時になっていた。カロリーメイトはモソモソして食べずらかった。
目の前を数人の遍路さんが通ったが、初老の夫婦風二人にちょっと怪訝そうな目で見られ(たような気がし)てまたへこむ。そういえば、白衣も杖もまだ買ってないし、これじゃお遍路に見えないかもな・・と思い、意を決して笠を被った。

六番安楽寺まであと一キロくらいのところで、前から走ってきたスクーターが止まって、おじいさんに話しかけられる。ちょっと凄みのある顔立ちと方言に、一瞬ひるんだが、今日の宿を心配して話しかけてくれたようだ。
とりあえず三日目までは予約して来たのでそう伝える。七番の宿坊が今工事中で、それをあてにしているといけないから、とのことだった。


やっと六番についた!笠が頭に食い込んで痛い。やっぱり頭大きいのかな。目も痛いし、とにかく楽になりたい。新しいトイレがあったので真っ先に入る。